2019年 9月 24日、マグニチュード 5.8 の地震がパキスタンを襲いました。2015年以来、ミャンマー国内では民族浄化が起っており、数十万にもおよぶロヒンギャが母国を去りました。シリアは、数百万人にもおよぶ人々が内戦で命を落とす、または国外に脱出するという状態にあり、私たちの時代の最悪な人道的危機の 1 つとなっています。
Islamic Relief Canada (IRC) は、こういった危機的な状況の対応を支援し、この緊急事態に苦しむ人々を援助するための募金をカナダ国民に求める活動を行っています。同時進行のプロジェクトが 200 以上あり、300 万人以上の被害者を支援する中で、IRC は被害者たちの災難に耐える力 (レジリエンス) を高めるために地域のコミュニティと協力しあい、災害発生時には極めて重要な緊急援助を行っています。また、同組織は教育、水、衛生、ヘルスケアといった生活の基本となるサービスも提供しています。
3500 人の従業員が 35 か国で活動するグローバル組織の一部である IRC は、50 人のチームでカナダ国内の活動に従事しています。同チームは広い活動範囲を少人数で担当しているため、メンバー全員が多くの役割を担い、スタートアップ企業を思わせるような運営を行っています。オンタリオを拠点とするチームメンバーの 2 人、Yusra Rizwan 氏と Usama Khan 氏は、前者が人事とボランティアプログラム、後者は財務、テクノロジー、そしてオペレーションを監督しています。彼らの努力のおかげで、同組織はカナダの寄付者たちとの関係を築き、積極的な支援を得ることに成功し、調達資金は 2007年以降、100 万ドルから 6,000 万ドルに増えています。
この成長は、同チームの救援および援助活動がより大きなインパクトを生み出していることを表しています。しかし、チームの拡大とプログラムの発展に伴い、チームはいくつかの課題に直面し、仕事を管理するための新たなツールを探し求めることを余儀なくされました。
“当社の従業員エンゲージメントアンケートの中で絶えず提案されていたのは「情報の共有と組織全体におけるコミュニケーションの改善」というテーマでした。それを受けて、私たちはその実現方法を探しました。” - Usama Khan 氏、財務部長
ソリューションの候補を吟味したチームは、情報の共有とコミュニケーションを改善し、複数部門によるコラボレーションを可能とし、財務上の取引の記録を作成し、さらには成長するチームに合わせてスケーリング可能なソリューションを探しました。IRC の CEO、Zaid Al-Rawni 氏は、自身のネットワークを通じて Asana のことを耳にしたことがあり、チームと一緒に使ってみることにしました。
同チームは少しずつ Asana を組織に導入し、Yusra 氏や Usama 氏といったアーリーアダプターたちを見い出して、2 人にチーム全体でトレーニングセッションを実施するよう促しました。この 2 人はトレーニングで Asana の基礎を確認したあと、マネージャーたちにそれぞれのプロジェクトを Asana に移し、それぞれのチームのオンボーディングを行うよう働きかけました。会議の議題といった組織全体のプロジェクトから始め、それからチームを中心としたプロジェクトへと Asana の活用を深めていったチームは、すばやく基本を修得し、より複雑なワークフローを導入できました。
“Asana はまさに情報を共有するためのツールです。Asana の機能を発見し、それをさまざまなチームに紹介すればするほど、メンバー全員がますます Asana のツールを使用する価値に気付き、使い始めました。” - Usama Khan 氏、財務部長
Asana の導入が成功に至った重要な要素の 1 つとして、経営陣の同意が挙げられます。シニアチームがまず Asana を導入し、その使用を組織全体のマネージャーやリーダーに勧めました。幹部チームはその他のチームに Asana を使うように働きかけ、従業員全員に手本を見せることにより、IRC 全体における Asana の導入を加速させました。チームメンバー全員が Asana を使って自分の仕事の効率をアップさせる方法を発見するとともに、すぐさま組織全体が Asana を使用するようになりました。
今日、IRC は Asana を使って会議の実施から、中長期目標の追跡にいたる、すべての仕事を管理しています。IRC は Asana を使うようになって、以下ができるようになりました。
IRC は、Asana を使用して効率、コンプライアンス、組織の透明性を実現する以外にも、その使用を通じて正確で有用な、組織の総合的な情報を蓄積しています。チームメイトの異動から資金調達イベントのような反復的な仕事にいたるまで、よりすばやく、より自信を持って働くために必要なコンテキストや情報が常時利用できるようになっています。
“緊急事態用に合理化されたコラボレーションプロセスの効果は、パキスタン地震の発生直後に現れました。私たちが現地にいる各チームと 75% も早いスピードでコミュニケーションをとり、コラボレーションすることができたのは、Asana の多大な貢献があったからです。そのおかげで、私たちは可能な限り多くの人たちを助けることができました。” - Yusra Rizwan 氏、人事部マネージャー
IRC は、組織としての総合的な情報をもとに、極めて重要な緊急援助を提供するというミッションを推進することに集中できます。マーケティングチーム、資金調達チーム、寄付者リレーションチーム、およびプログラムチームは、緊急事態発生時に Asana の共有プロジェクトの中ですばやく全体像をつかむことができるため、より迅速に事態に対応できます。最近パキスタンで発生した地震のあと、IRC のチームは Asana で新たなプロセスを試行し、救援と意識向上のキャンペーンを 75% も早いスピードでローンチしました。Yusra 氏と共に働くボランティアはより短時間で参加でき、Usama 氏は救援オペレーションを支援する目的で海外に送られる寄付を追跡できています。
今後、IRC は、よりスピーディに緊急事態に応答したり、インパクトを全体的に拡大させる以上の取り組みを行っていきます。Yusra 氏、Usama 氏、そしてこの 2 人のチームは、更に多くのカナダ人の心を動かし、行動を促し、危機の影響にさらされ苦しむ数多くの人々を共に助けようと働きかけることができるように、Asana を使用して募金プロセスの管理や寄付者のフォローアップといったステップの自動化に取り組んでいます。