売上予測とは?重要性や立て方を紹介 (具体例付きテンプレート)

寄稿者 Alicia Raeburn の顔写真Alicia Raeburn
2024年2月26日
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概要

売上予測 (販売予測) は、過去の実績やビジネスデータを用いて今後の売上高を予測するものです。売上予測を利用することで財務予測を評価し、必要に応じて事業計画を変更できます。本記事では、売上予測テンプレートが、目標設定、予算設定、販売サイクルの改良にどのように役立つかをご紹介します。

更新: この記事は、売上予測の重要性に関するさらに詳しい記述を含めて 2023年 7月に改訂されました。

多くの企業にとって、成功のカギはセールスチームが握っています。優秀なセールスマンは砂漠で砂を売れると言われますが、サハラ砂漠でも南極大陸でも、製品が売れるかどうかはすべて戦略にかかっています。現在の戦略がうまくいっているかどうかわからないときは、売上予測を立てみましょう。

売上予測は、過去のデータを用いて将来の事業収入を予測するものです。財務予測の下調べに利用できるだけでなく、これらの予測がどの程度有望であるかによって、必要に応じてビジネス計画に手を加えることもできます。今回は、今後の業績アップに活用できる売上予測テンプレートの作り方をご紹介します。

売上予測 (販売予測) とは?

売上予測は、過去のビジネスデータから今後の売上の予測をするものです。売上予測は、一定期間内の新商品の総販売個数、新規顧客獲得数、新規会員登録数なども予測できます。

売上予測を算出したら、その結果に基づいてビジネスの健全性を評価し、それをベースに計画を調整することもできます。

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売上予測の立て方

売上予測を立てる方法には、単純なものから複雑なものまで、さまざまなものがあります。こちらでは、売上予測の作り方の基本を、5 つのステップでご紹介します。ステップに沿って売上予測テンプレートを作り、活用しましょう。

5 つのステップで販売予測を立てる方法

1. ビジネスデータを追跡する

過去の販売実績がなければ、予測の根拠となるものは何もありません。過去の販売データがないケースでは、売上予測を作成するために、まずは販売状況の追跡から始めましょう。

追跡すべきデータとして、以下のようなものがあります。

  • 月別販売数

  • 各製品の月別売上高

  • 返品またはキャンセルされた製品の数 (正確な売り上げ計算のために必要)

その他、売上予測の精度を上げるために追跡できる項目は以下のとおりです。

  • 成長率

  • セールス担当者数

  • 平均的な販売サイクルの長さ

売上を予測する際、これらのデータを利用する方法はさまざまです。もし、来年度の売上予測である売上ランレートを計算したいのであれば、過去 1 か月の売上を使い、それを 12 倍にします。次に、この数字を季節性など、その他の関連するデータポイントに基づいて調整します。

ヒント: 過去のデータを追跡するのに一番良い方法は、CRM (顧客関係管理) ソフトウェアを使用することです。CRM 戦略を導入すれば、売上予測テンプレートにデータを簡単に取り込むことができ、迅速な予測が可能になります。

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2. 指標を設定する

売上予測テンプレートで計算を行う前に、何を測定するのかを決める必要があります。測定内容を決める上で、一般的に考慮すべき点として、以下のようなものがあります。

【どのような製品やサービスを販売し、予測を立てようとしているのか】

この点を考えることで、具体的に何を評価するのかを決められます。たとえば、長年販売している製品の将来の動向を調べて、継続する価値があるかどうかを判断したり、新製品の将来の売れ行きを予測したりすることができます。

【どのくらい先まで予測するのか】

短ければ 6 か月、長ければ 5 年先といった予測も立てられます。どれだけ複雑な予測をするかは自由です。

【各製品をいくらで販売するのか、製品をどのように評価するのか】

単位、時間、会員数など、製品の指標を設定します。そうすることで、単位当たりの価格で収益を計算できるようになります。

【販売サイクルの長さはどのくらいか】

セールスファネルとも呼ばれる販売サイクルは、販売の開始から終了までにかかる平均的な時間のことです。販売サイクルは多くの場合、月単位、四半期単位、年単位で設定されます。販売する製品によっては、販売サイクルが異なる場合があります。販売サイクルのステップには、通常、以下が含まれます。

  • リードジェネレーション

  • リードクオリフィケーション

  • 最初の接触

  • 提案

  • 交渉

  • 成約

ヒント: 会社が初期段階にある場合でも、顧客数の増加対売上高を予測できます。売上予測テンプレートに使用する過去のデータが十分でない場合は、市場で自社と類似した企業のデータを使用しましょう。

3. 予測方法を選ぶ

売上予測をする際に使える基本的なアプローチ方法は 2 つあります。1 つ目の「トップダウン方式」は、市場全体の規模から始めて下へ、2 つ目の「ボトムアップ方式」は自分のビジネスから始めて外へ広げていく方法です。

【トップダウン方式】

トップダウン方式を使うには、まず、獲得可能な最大市場規模 (TAM) を把握することから始めます。次に、自分のビジネスがどの程度市場を獲得できるかを推定します。

たとえば、市場規模が大きく飽和状態であれば、TAM の 3% しか獲得できない可能性があります。その場合、獲得可能な最大市場規模が 10 億ドルであれば、年間売上予測は 300 万ドルとなります。

【ボトムアップ方式】

ボトムアップ方式では、販売サイクルで販売する総数を見積もり、その見込み数字に平均単価を乗じて計算します。また、セールス担当者の人数、部門別経費、ウェブサイトの閲覧数など、その他の要素を加えて拡張することも可能です。ボトムアップ予測方式は、会社のデータを使って、より具体的な結果を予測する方法です。

売上予測テンプレートに記入する際には、どちらかの方式を選択する必要がありますが、両方の方式を試して、結果を比較することもできます。

ヒント: どのような予測方法が最適かは、経営しているビジネスの種類によって異なる場合があります。収益がほとんど変動しない企業であれば、トップダウン予測方法が適しています。トップダウンモデルは、ビジネスデータがほとんどない、あるいは全くない新規事業にも有効です。ボトムアップ予測は、季節限定ビジネスや、今後の予算や人員配置を決定したいスタートアップ企業に適しています。

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4. 売上予測を算出する

トップダウン方式による売り上げ計算の基本を押さえたので、次に、売上高を年単位で予測する、もう 1 つの方法をご紹介します。

  1. 年間の売上高を現在までの月数で割って、月平均の売上高を計算します。

  2. 月平均の売上高に、その年の残り月数をかけると、残りの期間の売上高の予測が得られます。

  3. 現在までの売上高の合計と、年内に予測される売上高を足して、年間売上高の予測を算出します。

将来の売上高を見積もる方法としては、前年の売上高の合計を掛け合わせる方法が一般的です。

例: 1 本 300 ドルのソフトウェアを販売し、1 月から 3 月までに 500 本販売したとします。現在までの売上は 15 万ドル (1 本 300 ドル × 500 本販売) です。現在が 3 月だとすると、月平均の売上は 5 万ドル (15 万ドル ÷ 3 か月) となります。つまり、残りの期間の売上予測は 45 万ドル (5 万ドル × 9 か月) です。

5. 外部要因を調整する

売上予測は、過去の成功体験から自社の成長率を推測し、将来の収益予想をするものです。しかし、過去の成功は、成長率を構成する一つの要素に過ぎません。売上の伸びに影響を与える外的要因には、コントロールできないものにあります。正確な予測を立てるには、このような外部要因も考慮する必要があります。

以下の外的要因を軸に、計算を調整できます。

  • 【インフレ率】インフレ率とは、特定の期間に物価がどれくらい上昇するかを示す指標で、通常、国全体の経済状況によって変動します。インフレ率を年間売上予測に織り込むことで、予測する売上高が、経済の許容範囲より高すぎたり、低すぎたりしないことを確認できます。

  • 【競争】時代の流れとともに、市場での競争は激化する可能性があります。たとえば、テクノロジーブームのさなかにソフトウェアを販売している場合、競争の激化により、今後数年間で、市場シェアが減少するかどうかを評価する必要があります。

  • 【市場の変化】人々の行動の変化に伴い、市場も変化する可能性があります。たとえば、オーディエンスが、ある年には 1 日平均 6 時間携帯電話を使っていても、翌年にはメンタルヘルスへの意識が高まり、それがきっかけで使用時間が短くなる可能性があります。このような変化は予測しにくいので、常に市場の最新情報を把握している必要があります。

  • 【業界の変化】業界の変化は、新しい製品や技術が市場に登場し、他の製品が時代遅れになることで起こります。その一例として、AI 技術の発明が挙げられます。

  • 【法律】それほど一般的ではありませんが、法律の改正が企業の製品販売方法に影響を与えることがあります。たとえば、米国で 21 歳未満へのV電子タバコ (べイプ) 製品の販売が法律で禁止されるまで、電子タバコは数百万ドル規模の産業でした。

  • 【季節変動】人間の行動やニーズが季節によって変化するという事実に基づき、多くの産業では季節差が生じています。たとえば、冬は室内で過ごす時間が長くなるため、パソコンに向かう時間が長くなります。また、小売店では、クリスマスシーズンに売上が急増することがあります。

ヒント: 包括的な販売計画を作成すると、チームメンバーの目標が設定しやすくなります。販売目標やトレーニングのマイルストーンとは別に、これらの外部要因をチームメンバーに割り当て、チーム全体が必要な情報を入手できる環境を整えることを検討しましょう。そうすれば、将来の売上拡大に影響を与える可能性のあるあらゆる事柄に対処できます。

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売上予測テンプレート (実例付)

以下の例は、あるソフトウェア会社の 6 か月間の売上予測テンプレートです。この例には、2 つの製品が含まれています。製品 1 はソフトウェアアプリケーションで、製品 2 はソフトウェアの付属品です。

この売上予測テンプレートでは、過去の売上データを使って各月のマスを埋めています。インフレ率 5%、市場シェア 5% の上昇により、毎月 10% ずつ売上が増加すると予測しました。単価は前年度と同じです。

6 か月間の販売予測

両製品を同じチャートに並べることで、低価格帯の製品であるソフトウェアの付属品が、高価格帯の製品よりも利益を生み出していることが明らかになります。企業はこの情報をもとに、今後、低価格帯の製品を増やせます。

以下の売上予測用無料テンプレートをダウンロードして、今後の売上実績を評価しましょう。

販売予測用の無料テンプレート

売上予測が重要な理由

売上予測は、ビジネスの健全性をモニタリングするために使用される重要なツールです。

販売予測が重要な理由

効果的な売上予測計画を立てることで、次のことが可能になります。

  • 【需要を予測する】販売可能な数を把握することで、生産の先手を打てます。

  • 【スマートな投資をサポートする】将来、新しい拠点や新しい製品でビジネスを拡大する目標がある場合、重要なのは、その資金となる収入をいつ得られるかを把握することです。

  • 【目標設定に役立つ】売上予測は、競合他社に勝つ、新しいチームメンバーを雇うなど、投資以外の目標設定にも役立ちます。

  • 【支出の指針となる】売上予測を活用することで、予算設定やコスト管理による経費削減の必要性に気づく可能性があります。

  • 【販売プロセスを改善する】不満のある売上予測に基づいて、現在の販売プロセスを変更できます。

  • 【財務上の問題点が浮き彫りになる】売上予測のテンプレートを使うことで、他の方法では気づかなかった問題に気づく可能性があります。

将来の売上を正確に予測できれば、その予測をもとに現在の販売プロセスを調整できます。

売上予測と強力な販売プロセスを組み合わせる

売上予測 (販売予測) の立て方をまとめ、具体例を挙げながら解説しました。

売上予測は、販売プロセスの全体像の一部分に過ぎません。このツールは、未来を垣間見るためのものですが、実際に行動しなければ成果は出ません。そのためには、セールスマネジメントソフトウェアもしくは SFA (営業支援システム) を使用し、タスクの整理、プロジェクトの設定、顧客とのつながりを可視化することをおすすめします。このようなツールは、Excel など静的なツールよりも効果的です。

このようなソフトウェアを活用すると、チームメンバーがリードを獲得し、取引を成立させるまでのセールスパイプラインを、初めから終わりまで追跡できます。また、しっかりとした販売計画は、将来の成功を確実にする土台となります。

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