FOND OF は Asana 使用して多くの小売ブランドを管理しています

8 年前、まだ誰も知らない通学用エルゴノミクスバックパックを車のトレーラーに積み込み、ドイツ中を走る 4 人の男がいました。彼らの目標は、それまで大人向けのみであったエルゴノミクスバックパックを、ドイツそして世界中の教室に持ち込むことでした。国内の小売店を手当たり次第にあたって商品の販売先を確保し、利用者の感想を手際よく集めて改善に活かしました。

この「エルゴバック」と名付けられた製品は大成功を収めました。車を拠点に一種類のみの製品を販売していた彼らは、その後 8 年の間に 8 つの独立したブランドを持ち、世界中でバッグを販売する企業へと成長しました。今ではドイツのどの小学校でも、エルゴバッグを見ない教室はありません。そして彼らはお客様や小売店から短いサイクルでフィードバックを入手し、それを次の製品へと活かし続けています。

今年になり、この創業者たちは 200 名を超える従業員に、まもなく建設が始まる新しいハイテクキャンパスに何を求めるか尋ねました。FOND OF という親しみやすい社名通り、働きやすいことでも広く知られる会社への従業員の期待は大きいものでした。

上記 8 つのブランドをつなぐのは、FOND OF のコーポレートブランドとエンプロイヤーブランドです。この 2 つの特殊なブランドを、両者のヘッドを務める Martin Steinbach 氏が支えています。彼の任務は、この 8 つのブランドすべてを FOND OF ブランドのもとで連携させること、そして、優秀な人材を惹きつけるために FOND OF のエンプロイヤーブランドの知名度を高めることです。この 2 つをバランスよく行えているのは Martin 氏が FOND OF のブランドイメージから企業文化や働き方までにこだわりを持って行なっているからです。さらに彼は FOND OF の PR をすべて任され、最近行ったリブランディングも担当しました。

イノベーションと成長への取り組み

製品のみでなく人も大切に。FOND OF は常にイノベーションを起こそうと努力してきました。彼らはエルゴノミックバックパックを教室に持ち込んだ最初の会社であり、先進的なデザインや製造方法を開発したという自負もあります。彼らは数年かけて、子供用のエルゴノミックバックパック 1 本から、さまざまな年代向けのバックパックを製造するなどの事業の拡大を行いましたが、その間も耐久性と機能性へのこだわりを失うことはありませんでした。

FOND OF のイノベーションは、彼らが最初に作ったバックパックが始まりだと思うかもしれませんが、そうではありません。それ以前に、従業員体験やエンプロイヤーブランドにおいて、彼らはすでにイノベーションを起こしていたのです。製品の数を増やし、市場をグローバルに拡大するために、FOND OF は社員を 200 名まで急速に増員し、ドイツのケルンにある本社に全員を勤務させました。

FOND OF は物事を好むという感情からパワーを得ています。私たちはこの仕事が好きです。作っている物がバックパックだろうと、ブランドだろうと、ウェブサイトだろうと関係ありません。ビジネスの結果ではなく、全員が一緒に働くことにこそ、やりがいを感じているのです。”

従業員はやる気と幸せを維持するために、会社へのフィードバックをたびたび提出するよう求められます。また、グループでのイベントも頻繁に行われます。さらに、製品の製造工程を十分に理解することと、すべての従業員が一緒に行動することを目的に、全社を挙げてベトナムまで研修に行きました。

Martin 氏はこれについて次のように述べています。「ケルンのチームとベトナムのチームを会わせることで、全員が刺激を受けて、モチベーションも高まると考えました」また、お客様や従業員への透明性を高めるためにも、この研修は効果的だったと Martin 氏は考えています。「一緒に働きたいパートナーをアジアで探すために、私たちは多くの時間と労力を注ぎました。だから、この工場や、ここで熱心に働く従業員たちを、皆に見てもらいたかったのです。」

「私たちはグローバルな世界に生きています。だから、従業員とお客様には、ドイツの会社がベトナムでバックパックやバッグを製造することの意味を理解して欲しいのです。」

この透明性が高く、協調的で楽しい職場環境こそが、FOND OF を成功に導く大きな鍵となり、同社はドイツの優秀な人材が一目を置く存在になりました。

Asana で社員の働きやすさを向上

Martin 氏と彼のチームは、優秀な人材を惹きつけ、採用するためには、エンプロイヤーブランドを確立し、他社との差別化を図る必要があると考えました。FOND OF は、オーセンティシティに重きを置いて職場文化を確立し、すべての従業員が本当に自分らしく働ける場所を築き上げました。

FOND OF はバックパックのメーカーではありません。FOND OF は人を集めて何かを一緒にやるためのプラットフォームだと、私たちは考えています。”

FOND OF の人事部では、新規採用者のオンボーディングからその教育まで、あらゆる場面で Asana を使用し、企業ポリシーの説明やイベントの告知などを行っています。従業員には入社したその日からプロジェクトが割り当てられ、最初の週や月に行われること、近日中のイベント、昼食会のリマインダー、社内の全般的な情報などが説明された数多くのタスクを目にすることになります。また、旅費精算のガイドラインなど、先々で必要になる情報も、タスクに記載して割り当てられます。

Asana は FOND OF のすべての部門で使用され、仕事を効率的に進めるために必要な情報がすべてここに集められています。新規採用者は初日からこれを使い始めることで、すぐに Asana に馴染むことができます。後々まで印象に残る最初の重要なステップを効率化することによって、新規採用者の緊張をすぐに解すことができ、また人事部は、このプロセスにかける時間を節約できます。

「働きやすい職場にするためには、すべての従業員に気分よく仕事に臨んでもらうことが最も重要です」と Martin 氏は言います。Asana を使って新規採用者のオンボーディングを効率化した後、彼らは他の業務でも社内環境を向上するための取り組みを始めました。

働きやすい職場にするためには、すべての従業員に気分よく仕事に臨んでもらうことが最も重要です。”

Asana を使うことでメールを廃止し、仕事とコミュニケーションを 1 か所にまとめ、FOND OF の従業員は大量のメールに頭を抱えることも、大切な仕事を見落とすこともなくなりました。また、従業員のオンボーディングがスムーズになっただけでなく、従業員は長期間 FOND OF に在職し、結果を出し続けるようになったと言います。

8 つのブランドを Asana で操る

仕事が効率的に進む環境が整うと、従業員たちはビジネスの成長に向けて貢献の度合いを高めていきます。FOND OF への貢献で重要なのは、コーポレートブランド、その傘下にある 8 つのブランド、そしてエンプロイヤーブランドをサポートすることです。

FOND OF では年に 2 回、春と秋に 8 つのラインそれぞれで主要なリリースを行っています。各ブランドは、グローバルブランドオーナー、ブランドマネージャー、マーケティングマネージャー、デザイナー、セールスマネージャー、プロダクトマネージャーで独自にチームを構成し、それぞれがセールス、マーケティングとコミュニケーション、デザイン、製品管理の機能を備えるという、小規模なスタートアップのような組織で運営されています。

しかし、8 つのブランドを一つにまとめることは簡単ではありません。そのため、各ブランドが Asana を使用し、すべてのキャンペーンやリリースを行なっています。また、8 つのブランドが連携して、マーケティング、デザイン、調達などのクリエイティブな作業をできるだけ内部で処理できるよう、調整が図られています。「最初から最後まですべての工程を自分たちでやれば、最高の製品が完成するはず」と Martin 氏が言うように、プリントやウェブのデザイン、ウェブサイトの開発まで、すべてを FOND OF の社内でまかなっています。

ウェブやプリントのデザインといったクリエイティブな作業を依頼する際には、テンプレートタスクを使用します。ブランド、作業ステータス、クリエイティブ要件などの詳細な情報は、カスタムフィールドに入力してデザイナーに送ります。デザインが完成し、作業が開発者に引き渡されると、ウェブのさまざまな要件に対してチケットが発行され、Asana を使って追跡されます。

「Asana のタスクなしでは、デジタルチームに作業を依頼できません。フォームに入力するだけで社内で行う作業の依頼を出すことができます。」

また、PR 用の原稿や写真の受け取りや原稿の最終確認など、PR の仕事の追跡にも Asana のプロジェクトを使用します。デザインの原案作成から公開前の最終確認まで、すべてを追跡することは、8 つのブランドすべてが順調に期限に遅れることなく、FOND OF のブランドとして活動するためには不可欠です。

コーポレートブランドのヘッドである Martin 氏の役割は、FOND OF のすべてのブランドをまとめ上げること、そして、最近行ったリブランディングのように大規模なプロジェクトの管理をすることです。FOND OF 傘下にある 8 つのブランドが絡んだリブランディングと、全体の PR 戦略を同時に追跡していた頃は、日々状況が変化するいくつものタスクを同時に操る必要があり、彼はプレスリリースからカンファレンスでの講演、パートナーへのコンテンツ寄稿まで、あらゆる作業を Asana で追跡していました。「Asana がなければお手上げでしたね」と当時を振り返って Martin 氏は語っています。

Asana でメールのストレスを解消

8 つのブランドとコーポレートブランドを操り、しかも革新的なほど働きやすい環境となれば、細かな情報を正確に伝え合うことなど不可能に思えます。実際にメールを使ってコミュニケーションしていた頃は、スレッドがすぐに長くなってしまって、必要な情報が見つからないことも多かったと言います。このように、仕事のための仕事が増えていく時期が FOND OF にもありました。

「受信者を追加してメールを返信すると、その分だけメールの数を増やすことになります」と Martin 氏は言います。このストレスを解消するために、彼は同僚と共に最高のアプリケーションを選びました。Asana です。「Asana ならメールの数が何倍にも増えることはありません。タスクに関わるすべての人が情報をすぐに受け取り、不要ならいつでもフォローを外すことができます。時間の節約ができて仕事がはかどりました。」

従業員の働きやすさを重視する FOND OF は新製品でヒットを連発し、より大きな目標を立てられるようになりました。Asana を使用してすべてを管理することで、FOND OF はその規模を拡大し成長を続けつつも、スタートアップのように活力に溢れる企業となりました。

その彼らの次の目標の 1 つが、新しい本社ビルの建設です。目指すのは、600 名から 800 名の従業員のほか、他の会社やコワーキングスペースまでもが入るキャンパス。ドイツでも最先端となるデジタル化されたビルを計画しており、その構想には FOND OF のすべての社員が関わるそうです。FOND OF のような会社なら、誰だって大喜びで働くに違いありません。