家具メーカーのような伝統的な従来型企業にとって、電子商取引の世界に飛び込むには時に勇気が必要です。
「家具産業は古いけれど面白い業界です」と Overstock のビジネス開発部長の Leslie Killinger 氏は言います。「ブランドによっては 150 年もの歴史があり、工場はもちろん、原料の木材を供給する森林まで所有している企業もあります。」
オンライン販売は、家具やインテリアの企業が新しい顧客層を開拓し、成長する後押しになります。Leslie 氏のビジネス開発チームの仕事は、そうした企業に Overstock のプラットフォームに参加してもらうことで、オンラインへの移行を進められるように働きかけることです。パートナーと呼ばれるサプライヤー候補企業をプラットフォーム上で「アクティブ」に設定して、Overstock のオンボーディングチームと家具バイヤーチームに引き継ぎ、その企業の売り上げが伸びていくのを見守ります。
Leslie 氏は 200 を超える戦略パートナー候補企業を同時に管理していますが、特に注力しているのが、まだオンライン事業に乗り出す準備ができていないと考えている規模の大きめな企業です。パートナーの目標を整理し、プラットフォームの仕組みを説明することで、重要な認識のギャップを埋めるのが Leslie 氏の役割です。成功の鍵は、こうしたパートナーとの関係を、それぞれ特別なものとすることです。そのために Leslie 氏は Asana を使ってクライアントそれぞれの目標や好み、アカウントの詳細、履歴をすべて追跡しています。
この親身で細やかな対応により、パートナーは大切にされていると感じ、そこに信頼関係が生まれます。このためには、人間の記憶力だけでは不十分です。そこで Asana が縁の下でその力仕事を担い、Leslie 氏は長続きする関係構築に勤しむことができるというわけです。
1 年に 4 回、Leslie 氏とビジネス開発チームの同僚 Teagin 氏はノースカロライナとラスベガスに市場開拓に出かけます。ここで二人はパートナー候補に会ったり、問題を解決したり、家具ショールームの訪問を行なったりします。
それぞれのミーティングを有意義なものにし、クライアントの信頼を得るために、Leslie 氏とそのチームは、ミーティングの相手が誰なのか、前回の商談はどこまで進んだのか、などきちんと最新に更新されている情報を押さえておく必要があります。
担当者の役職や商品の内容、どこに住んでいるのか、といった背景情報が重要だと Leslie 氏は信じています。「今の世の中ではそういうことを見落としがちですから、ちゃんと顔と名前を一致させて、人間関係を築くことは新鮮に感じます。パートナーには私がちゃんと耳を傾けていて、自分のことを気にかけていると知ってもらいたいと思っています。」
ミーティングが終われば、アクションアイテムをメモし、頭の中は次のパートナーに切り替えなくてはなりませんが、前のパートナーの情報は Asana で捕捉しているので安心です。
こうしたパートナーとの関係は何年にも及ぶ場合があります。そしてパートナーが Overstock と契約を結ぶと、別のチームに引き継がれます。新規の契約パートナーはオンボーディングチームによってトレーニングを受け、次に家具バイヤーチームに担当が移ります。一方、契約内容についてのやり取りを行うのは法務チームです。Leslie 氏はこうしたチームが同じ情報にアクセスできるようにすることで、自分たちが築いたパートナーとの信頼関係を、Overstock のビジネスの流れの中で維持していけるようにしたいと考えています。
パートナーの情報を記憶だけに頼るわけにはいかないため、Leslie 氏は情報を管理するために最適なツールを探し始めました。彼女が必要としていたのは、自分が重要な詳細を記憶し、正しいメッセージを伝えるのに役立ち、対面ミーティングや展示会、会議のための出張を成功に導くための計画を助けてくれるツールでした。
Asana を選んだ理由は、旅先でも使いやすく、彼女の求めるすべての需要に応えてくれたからでした。すばやく前後関係をチェックしたり、メモを取ったりできるため、ミーティングにはタブレットを持っていきます。パートナーが電話をかけてきてもそこから Asana を開けば何でもわかります。パートナーを担当する Overstock 内の異なる部門に属するチームは、最新の情報を常に把握しておくことができます。ちなみに製品とデザインのチームは、オンラインビジネスの開発のために すでに Asana を活用していました。
現在、Leslie のチームは Asana にタスクとして La-Z-Boy など、パートナーの名前を追加して情報を追跡しています。サブタスクにアクションアイテムと詳細を追加し、また契約書などの文書もサブタスクに添付できます。
また、カスタムフィールドを使って、次の重要な属性に基づいてパートナーを追跡、分類しています:
製品タイプ: (例: リビングルーム)
きっかけ: (例: クライアントからのアプローチ、直接営業、潜在顧客等)
価値: クライアントの価値評価 (低から高)
ステータス: プロセスの段階 (例: 初回商談、トレーニング中等)
規模: 企業規模
エンゲージメント: クライアントエンゲージメントを追跡し、チームがバランス感覚を持ち、時間配分の優先順位を把握できるようにする
こうした詳細な履歴を管理することは、Leslie 氏のチームによる、クライアントに自分たちが大切にされているとわかってもらうやり方の要となっています。
チームが生産性を維持できるのは、Asana が次のことを助けてくれるおかげです:
タイムラインの計画: チームは期日を使って納品の流れを把握しています。Asana で追跡することで、ビジネスのあらゆるプロセスを無理なく計画できています。
プロセスに従うこと: チームが新規クライアントのために同じプロセスを繰り返す必要がある場合、タスクとサブタスクをコピーすれば、毎回プロセスを作成しないで済みます。
役割分担: Asana 上でパートナー担当を明確に指定しています。そのためチームの責任範囲が重複することがありません。
クライアントの切り替え: クライアントとのミーティング中やミーティング後に、あるいは外出先であってもすべての情報を Asana で捕捉できているので、次のクライアントのために頭を完全に切り替えられます。
ビジネス開発チームは Asana のアプリを携帯電話やタブレットに入れて、ミーティング中にアクションアイテムを追加しています。通常は紙とペンでメモをとって、あとでホテルでタスクを決めたりしますが、「それだと二度手間になるので、Asana アプリを使って手間を省いています」と Leslie 氏は説明します。
移動中も、チームはタスクを片付けます。Leslie 氏は、一度タイヤがパンクして、修理工場で待っている間にタスクをすべて片付けてしまったこともあります。彼女の仕事が止まることはありません。
Leslie 氏は Asana で主要なクライアントの状況を細かく追跡することによって、長期間、良好なパートナー関係を築くための土台作りをしています。
「私たちが Asana をこのように使うのは、すべてのパートナーについて、全員が同じ情報を把握できるようにするためです。ある企業と契約をし、1 年ほど経って問題が起きたとしたら、家具バイヤーは Asana を見て、パートナーシップの履歴をチェックします。契約日や、いつからアクティブになったか、販売契約、話し合いの記録などが閲覧できます。そういう事態が起こった場合にも、バイヤーたちには Asana という信頼できる唯一の情報源があります。」
Overstock はさまざまなチームを同じデータにつなげることで、クライアントとの契約期間を通じて上質なサポートを保証しています。
Asana を使い始めて以来、Leslie 氏のチームはパートナーの納品の把握を続けることによって、数百万ドルの収入をもたらしました。時間とともに、契約企業の数はどんどん増えていますが、それに大きく貢献しているのは、事務的ではない関係作りをする Leslie 氏たちの力です。
「私たちはサプライヤーを『ベンダー』とか『サプライヤー』とは呼びません」と Leslie 氏は言います。「彼らを『パートナー』と呼ぶのは、実際に私たちの関係をそう捉えているからです。彼らは自分たちのビジネスを成長させたい。私たちも自分たちのビジネスを成長させたい。両者は同じ目標を共有しているのです」
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