Asana ゴールを使って素晴らしい目標を立てる
目標管理は、チームが素晴らしい目標の条件について共通認識を持ってこそ効果を発揮します。
この記事では、目標追跡が初めての方や、目標を立てるチームを導く方法をお探しの方のために、その詳細を紹介します。
素晴らしい目標には 3 つの特徴があります。
1. 明確な意図
目標は一般的に、その意図に応じて、意欲的な目標または測定可能な目標のどちらかに分類されます。
意欲的な目標は、目指す目標を説明した、大胆でチャレンジ精神のうかがえるステートメントです。ミッション達成を目指す組織の進捗を示すものでなくてはいけません。
たとえば、「世界で最もポピュラーなヴィーガン向けアイスクリームブランドになる」をミッションに掲げる企業にとっては、「今年は SNS でナンバー 1 のアイスクリームブランドに成長する」が意欲的な目標になるでしょう。
意欲的な目標は、ミッションでも、戦略でもなく、むしろその期間内で達成可能な結果を説明したものです。同じ目標の下にチームを結集し、その目標を達成するまでの過程でこなしていく具体的な目標を立てるために使うものです。そうした具体的な目標こそが、先ほど述べたもう 1 つの種類の目標です。
OKR (目標と主要な結果) のうち目標 (O) は意欲をうながす働きがあるものと考えられます。
測定可能な目標とは、具体的なターゲットのことです。たとえば、「1 年を通して毎月 Twitter のトレンドになる」などが挙げられます。
意欲的な目標が目的地であるとすれば、測定可能な目標は、そこに到達する方法を示した地図のようなものと言えます。
測定可能な目標は、意欲的な目標につながっているものとして書きます。意欲的な目標は、それにつながっているすべての測定可能な目標が完了した時点で達成できたことになります。
OKR のうち主要な結果 (KR) は測定可能なものと考えられます。
測定可能な目標は必ず意欲的な目標を支えるものでなくてはいけません。測定可能な目標を「今年は SNS でナンバー 1 のアイスクリームブランドに成長する」につなげなければ、その目標を達成できたのかが判断しにくくなるでしょう。
目標が意欲を刺激するものか、測定可能なものかを確認するよう、チームに働きかけましょう。
2. 成功の詳細な定義
成功の明確な定義は、素晴らしい目標の基盤となります。その定義には、目標の説明およびその結果を評価するための評価基準という 2 つの要素があります。
目標の説明
目標の説明は、以下の質問に答えるものです。
- この目標を立てる理由とは?
- 何を達成したいのか?
目標に対する明確な評価基準がない場合は、目標の説明が「成功とはどのようなものか」の答えになる場合があります。
評価基準
Asana では、目標は「達成」「一部達成」「未達成」のいずれかで評価されます。このように、目標の評価基準を設けることが大切です。
意欲的な目標では、それを支える測定可能な下位目標に評価基準が関連付けられます。意欲的な目標については、さまざまな評価基準があります。
- 達成:「5 つの下位目標のうち 5 つを達成」
- 一部達成:「5 つの下位目標のうち 3〜4 つを達成」もしくは「下位目標 X、Y、Z を達成」
- 未達成:「達成した下位目標の数が 2 つ以下」
Asana では、達成した下位目標のパーセンテージから達成した上位目標のパーセンテージが自動的に計算されます。進捗の自動更新について詳しく見る。
各目標の下位目標は、3~5 個用意し、最大でも 10 個に収めるとよいでしょう。そうしなければ、各下位目標とその親目標との関係がわかりにくくなります。
測定可能な目標には、成功の度合いを判断するためのターゲットが必要です。そのターゲットは、反証可能であるもの、つまり達成か未達成かを判断しやすいものでなければいけません。
例:
- バイナリ (はい / いいえ):「全社員を対象にアンケートを実施した」
- パーセンテージ:「顧客ベースを 120% 拡大した」
- 数字:「12 個の新しいコースを制作してリリースした」
- 通貨:「年間収益 1 億ドルを達成した」
評価指標は評価レベルとも組み合わされます。
- 達成:「1 億ドルの年間収益を達成する」
- 一部達成:「8 千万ドル以上 1 億ドル未満の年間収益を達成する」
- 未達成:「8 千万ドル未満の年間収益を達成する」
Asana では、成功がマイルストーンやプロジェクト、目標に紐づけられている場合、それらに応じて、目標の進捗が自動的に更新されます。それ以外の場合は、自分で更新する評価指標を定義することができます。
3. 具体性
曖昧な点を減らして、チームが連携しやすくするために、以下の点を含めて、目標の内容を具体的なものにします。
必要な行動 (What)
- 目標の精神が伝わるような、明確で簡潔な名前を付けます。
- 目標は、野心的であっても達成可能なものにします。挑戦しがいは重要ですが、達成する明確な計画があるようにします。
- 可能であれば、実行計画に関連する詳細を含めます (主な目標のマイルストーンなど)。
担当者 (Who)
担当者:
- 目標に担当者を割り当てます。Asana は、説明責任が明確になるよう、1 つの目標につき 1 人の担当者のみを割り当てられるようになっています。担当者は、Asana の「自分の目標」タブで自分に割り当てられた目標を確認できます。
- 可能であれば、会社全体の目標ではない小規模な目標は実際に推進を担当するチームに割り当てます。Asana のチームは、特定のチームであったり、ディビジョンや部門、地域、クロスファンクショナルグループなど、規模の大きなグループであったりします。チームメンバーは、Asana の「チーム目標」タブで、自分のチームに割り当てられた目標を確認できます。
関係者:
- 目標に関与するメンバーが多くなる場合は、その目標のメンバーとして追加できます。
- 目標に取り組む複数の関係者の役割がはっきりしている場合は、その目標の説明欄にそれぞれの役割を追加するとよいでしょう (例: RACI チャートの説明を担当)。
時期 (Why)
- 各目標には、完了を目指す期間 (Q1 など) を割り当てましょう。
- 期間は、目標を評価するタイミングを決定するのに必要です。
- 目標がより具体的な日付に紐づけられている場合は、目標にカスタム期日を追加します。カスタム期日の 1 週間前になると、Asana から目標の担当者に目標を終了させるリマインダーが送られます。
方法 (How)
- 上位目標に直接貢献する目標を下位目標としてその上位目標に結び付けます。
- 目標に貢献する作業を追加します。
- 進捗の自動更新を使用すると、プロジェクトを目標の進捗に直接貢献するものとして追加できます。
- 関連するプロジェクトやポートフォリオは、目標の参考資料セクションに参考資料として追加できます。
素晴らしい目標は、実は簡単に書けてしまうものです。目標の意図を明確にすれば、目指す結果や何を成功とするかを決定しやすくなります。また、目標の進捗を評価する方法を決めておくことも必要です。
目標を達成する方法と期限を具体的に決定し、目標の担当者を決定して説明責任を明確にし、各関係者の作業が目標の進捗にどう貢献するのかを本人たちに周知することを忘れないようにしましょう。