タコに入れ墨したら何が得られるでしょうか?
入れ墨のあるタコ、その名はオッド。Open Door Rehabilitation Center が推進するバランスのとれた生活のシンボルである、フレンドリーなタコのマスコットです。オッドの足にはそれぞれ、健康と運動、コミュニティ、人間関係、自己イメージといった、人生の大切な要素を象徴する入れ墨が入っています。Open Door は発達障害のある成人をサポートし、さまざまな活動や職業訓練、コミュニティ住宅などを通じてクライアントの生活にこれらの調和をもたらすことに取り組んでいます。
「私たちの目標は、クライアントそれぞれの人生をオッドのようにバランスのとれたものにすることです」と、Open Door のプログラムディレクターである Rita Potter 氏は言います。「もし 1 本の足だけが長すぎてしまったら、タコはうまく泳ぐことができません。私たちのコミュニティにいる人たちも同じです。」
イリノイ州に本拠を置く Open Door の運営スタッフはたったの 6 名。その全員が 1 年を通じて新しいプログラムを次々に思いつきます。130 名のクライアント向けのアクティビティは、アートワークショップやゴルフ、地元の催し物や散歩クラブや見知らぬ人に親切なことをする Random Acts of Kindness クラブへの参加など多岐にわたります。スタッフ全員がインスピレーションやアイデアを出すため、チームの全員を巻き込み、ともに成長していくことが大切です。「Open Door には動きの遅い、古くさい組織であってほしくないのです。若々しく、活気があって常に進化し続ける組織であろうと努力しています。」と Rita 氏は言います。
![オッドと Open Door のマネジメントチーム] (https://luna1.co/6fd8fc.jpg)
Rita 氏のスタッフが少ないことには訳があります。非営利団体であるため、Open Door では少ない人員のほとんどを、クライアントと直接かかわるケースワーカーに振り分けているのです。多忙なチームにとって、全員が同じ情報を常に把握し続けるのは簡単ではありません。「一度にさまざまなことが動いていて、スケジュールもバラバラ。チーム全員が集まることのできるミーティングは月に 1 回くらいしか行えません。」と Rita 氏は説明します。
このため、毎月の会議と会議の間に取組むべき仕事についてチームの足並みをそろえるのは難しく、リーダーである Rita 氏はそのすべてを把握するのに苦労していました。さらに、人員が限られているため、個々のスタッフはそれぞれの仕事を優先し、そこに注力する必要がありました。 1 日の始まりからメールや問い合わせの山の対応に追われてしまうことも少なくありませんでした。
チームはすべての構想を 1 か所にまとめておけて、全員が確認ができ、数多のプロジェクトも進捗状況をもっと細かく追跡できるツールを探し始めました。技術チームはコラボレーションソフトウェアの導入を提案し、彼らがそこから 3 つか 4 つのプラットフォームを検討したあとに選んだのが Asana でした。
今ではチームの全員が Asana を使ってオッドの 8 本足に関わるすべてのプログラムや構想を追跡しています。さらに次のミーティングまでの期間のコミュニケーションにも役立てています。
「すべてに Asana を利用しています。月 1 回の時に比べて、ずっとグループとしてのコミュニケーションが向上しました。メールの数もずいぶん減り、Asana のおかげでメールの会話を遡ったりせずともプロジェクトの管理ができるようになりました。びっくりするほど時間の節約ができて、毎朝メッセージの対応に追われることなく、すぐタスクに取りかかることができています。」
オッドの足の一本ずつに専門チームが割り当てられています。新しいプログラムを計画した際は、Asana にもプロジェクトを作成します。
たとえば、コミュニティチームが年 1 回の障がい者プロムパーティの出席者のコーディネートをする場合は、どのクライアントがドレスやヘアカットが必要かに至るまでの計画の詳細を Asana で追跡します。およそ 10 名のチームメイトが同じ情報を追いかける必要がありますが、情報がすべて同じ場所にあるため、全員から簡単に進捗状況の把握ができます。
「障がい者プロムパーティ」をプロジェクトにすれば、「ドレス」や「ヘアカット」がタスクになり、サブタスクはドレスが必要なクライアントの名前になります。添付機能で、チームはドレスの写真を共有し、全員で写真にコメントをつけられます。
Open Door のチームは Asana を使って組織内のコミュニケーションや運営の効率を高めています。
Asana を導入してから、チームのコミュニケーションが楽になり、以前に増して注意の行き届いたプロジェクトを行えるようになりました。「Asana のおかげでワークフローが変わり、効率が非常に上がりました。達成できることがずっと増えたのです」と Rita 氏は強調します。
“テクノロジーに投資しないわけにはいかないと思います。残念ながら、非営利団体の多くは‘テクノロジーにお金をかけることで、助けられる人が減る’のではと考えがちですが、それは間違いだとわかってもらわなくてはいけません。テクノロジーは大きな価値を生み出します。Open Door の人員は限られていますが、Asana のおかげで時間もお金も節約できています。”
Asana によって、Open Door の運営チームのメンバーはさらに多くのプログラムを立ち上げ、それぞれの役割の中で成長し、個の才能を仕事に生かすことができています。「以前よりもさらにコラボレーションが活発な組織になりました」と Rita 氏は言います。「古めかしいピラミッド型のシステムで、何でも承認が必要といったメンタリティは捨て去りました。もっと多くの人が仕事に関わり、チーム全体でリーダーシップを取っていけるようになったのです。」
Open Door の事務局長の就任が決まっている Rita 氏にとって、管理職としての監督業務は一層重要になります。「就任の準備をしながら、すべてを把握していられるのは本当に助かります。Open Door で人々の人生がよりよく変わっていくのを見てきました。とてもやりがいのある仕事だと感じています。元々は 2、3 年ここで働いたら別のキャリアへ転向するつもりだったんですが、27 年もたって、まだ私はここにいます。スタッフも喜んでくれていますし、私たちはここで頑張り続けます。」
そんな Open Door に変化をもたらしたのは Asana でした。Open Door というタコに入れ墨を施すとき、スタッフとクライアントの人生にいっそう素晴らしい調和が実現されるのです。